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第1則 セブン&アイホールディングス代表取締役井阪隆一社長

(本則)
平成二八(二〇一六)年四月七日セブン&アイホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(83歳)の諮ったその中核子会社セブンーイレブン・ジャパンの井阪隆一社長(58歳)を交代させる人事案が同社の取締役会において否決された。
我が国の流通業はダイエーの中内功社長がいわゆる流通革命を起こし、スーパー、百貨店の繁栄をもたらした。しかし、その業態も今や売上不振に苦しんでいる。
スーパーやデパートの次にでてきたのがコンビニといわれる小売業である。その業態をリードしたのが、スーパー「イトーヨーカ堂」の創業者伊藤雅俊氏(91歳)とその片腕であった鈴木敏文氏である。伊藤雅俊氏がイトーヨーカ堂の経営の第一線を退かねばならなくなってその経営を任せたのが鈴木敏文氏だ。
この伊藤・鈴木のコンビは両者のウマが合って(!?)、コンビニの本家アメリカをもしのぎ、その業態をも変化させ、かっての小売業の王であるデパート、スーパーをも傘下にし、業績の立て直しを図っている最中の出来事であった。今やコンビニは社会的インフラとまでいわれるようになった。今や、グループ売上高10兆円を超を誇る流通業界最大手級。

4月19日、セブン&アイ・ホールディングスの取締役会は、セブン・イレブンジャパンの社長を務める井阪隆一取締役を代表取締役社長に昇格させる人事案を決議した。
傘下の主な事業子会社も人事案をそれぞれ決議した。セブンーイレブン・ジャパンは、副社長である古谷一樹(66歳)が社長に昇格、井阪氏は平取締役として残ることとなった。
井阪氏は、セブンイレブン一筋でここまで来た。持ち株会社のトップとしては業績不振が続くスーパーのイトーヨーカ堂(代表取締役社長亀井淳 71歳)、そごう・西武(代表取締役社長松本隆 63歳)の立て直しという難しいかじ取りも迫られる。
物言う株主アメリカ投資ファンドサードポイントからは、不採算事業の切り離しの要求が出ている。
今後の手腕が問われるところではある。

(機縁)
井阪セブン・イレブン・ジャパン社長を交代させるという人事案について、社外取締役が無記名投票を提案、結果は、鈴木案に賛成7票、反対6票、棄権2票で過半数に届かず否決された。その後、鈴木敏文元代表取締役会長は全役職から退任すると表明する。

井阪氏は、セブンーイレブン・ジャパン社長として5期連続最高益、「鈴木会長の哲学の影響を受けた。尊敬しているし、それはこれからも変わらない。ただガバナンスをもっとしっかりしていかないといけない。みんなが理解できる意思決定の判断基準が必要だ。ステークホルダーは本当に多いのだから」と語っていた。
創業者の伊藤雅俊氏の下に事前に人事案を報告したが、井阪氏交代について理解を得られなかったという。

日本人の平均寿命は延びた。鈴木敏文氏は八三才、伊藤雅俊氏が九一才。お二人は、コンビで何時までセブン&アイホールディングスの経営をするつもりだったのだろうか。
伊藤家では、お子さんたちに、経営を任せた父であり当主であった伊藤雅俊氏の意向(威光?偉効?)が通ったのであろうか。又、鈴木家ではどうだったのでしょうか。

(拈提)
冨山一彦氏日く、
「鈴木敏文氏がどんなカリスマであっても、公器である上場会社の最高経営責任者(CEO)は業務執行を担う「機関」だ。執行機関であるCEOが、専権事項のように後継者を選ぶことは許されない。だから鈴木氏側が出した人事を(監督機関である)取締役会が拒んだことは、企業統治が機能したと高く評価できる。それを担った社外取締役の方々は素晴らしい。今回の事案は、日本の企業統治上に残る快挙だ。
そもそも鈴木氏は人事案が通らなかったことで辞める必要はない。もっと言うと、今回の事態で経済界やメディアが驚いたり、大騒ぎしたりするのは、日本の企業統治が「前近代的な段階」を脱却していない証拠だと思う。もう一つの教訓は、企業の取締役会は次期社長の選任に、常に最重要課題として取り組んでいなければならないということだ」

(評唱)
本件は、会社のガバナンスをどのようにするか、具体的に言えば、社長は何才頃を目途に引退したら良いのか、後継社長は誰が、何時選任した方がよいのか、社長の養成はどのようにするのが良いのか、
同族企業の場合、二代目社長は世襲の方がよいのか、等々色々の問題を提起した。
レコフ社長恩地祥光氏は、次のように評した。
「セブン&アイは、約30年かけ、創業者の伊藤雅俊氏から鈴木氏へ権限が移管されつつ大きく発展した。こんなに継承がうまくいったのは奇跡に近い。伊藤氏の懐の深さと鈴木氏のテクノクラート的な組織運営がかみ合ったことが背景にある。(略)
小売業界は創業者の強烈なリーダーシップのもとで、全社一丸となり事業を推進することが多い。重大な意思決定は創業者が下すことが下すため、経営という観点を持つ後継者が育ちにくい。意思決定の積み重ねで人材は育っていくものだが、その環境をつくれないでいる」(平成28年4月24日付日経新聞)。
今回も鈴木家世襲への疑念(創業家伊藤家ではない)が問題となり、鈴木敏文氏は否定するが、人の頭の中身を見ることは出来ない。それ故、周囲の人達は、外形に表れた事どもからあれこれと、推測を巡らした。
これからの社長は、コトバと言動を一致させなければなるまい。阿吽の呼吸で分かる人達が少なくなってきたからでもあるし、文化の異なる世代が育ったからでもある。
伊藤雅俊氏が91歳、鈴木敏文氏が83歳、そろそろ肉体的年齢の終期に近付き、周囲の人達がご両人のコンビでなくともセブン&アイグループを率いることが出来ると思ったのだろう。
恩地さんの言うように、「意志決定の積み重ねで人材は育っていく」ものであるならば、そのことに気づいて、決定出来る人が社長になるしかない。
意志決定とは、決定する人にとって、大きいも小さいもない。右するか左するかを、決めるだけだからである。あるのは、その下した意思決定が周囲の人達に及ぼす影響の大小であり、社長になれば当然、その意志決定は大勢の人達に影響を及ぼす。だから、平社員、係長、課長、部長、取締役、社長となるまでには相当数の年月がかかってしまうものだ。
社員たるものは、直属上司、役員、社長の意思決定をみてその何たるかを知り、覚えるまで時間が要るということだ。

冨山一彦さんのように考えることも一理あるが、日本人には「理で納得しても情において釈然としない」ところがある。
われわれは、情においても理においても納得のゆく社長の交代とは何かを追求し、実行しなければ会社の繁栄はない。

(参照文献)
・週刊東洋経済 2016年4/16号
・週刊新潮 平成28年4月21日号
・週刊現代 平成28年4月30日号
・日経新聞の記事
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