そこで、尋ねたものです。命懸けになるにはどうしたら良いのですか?
件の禅僧、答えて曰く、
皆さんは、命懸け、と言うと特別なものだと思っているでしょうが、そうではありません。この講演会が終わり、帰宅途中に交通事故に会い死んでしまうかもしれない、また山登りに行き遭難し命を落としてしまうかも知れません。命懸け、とは我々が常にそういう状態におかれていることを言います。
そういう常態にあるということに、気づいても気づかずとも、常に我々は、いつも「命懸け」なのです。
今、目の前のことに一所懸命になればいいのですよ、子供が遊びに夢中になり、時の経つのを忘れてしまう、あの要領ですよ。
人生は、日常生活の上にしかありません。どこにも、特上の人生なんてものはありません。例えば、貧乏、失敗、恥をかいたという事実を受け容れることが第一、それらが、悔しければ努力すれば良いだけのことです。
そのことに気づいて、毎日毎日を過ごしている人とそうでない人とでは、一生のうちに成し遂げることの出来る仕事の量と質が違ってくるものです、と。
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