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古木寒厳によって、三冬暖気なし

一般の人が、身を滅ぼすのは「飲む、打つ、買う」といわれるものです。
魅力的な女性から、秋波を送られて、悪い気のする男性はいないでしょう。
弁護士とて同様です。

昔、弁護士会ではよく研修会が開かれ、その研修会後、懇親会と称する飲み会がありました。
その席上での話です。
持田弁護士は、若手弁護士達に言ったものです。

「俺は、ある時、妙齢の女性から離婚と慰謝料請求の相談を受けた。孤塚美子さんと言ったかな、30代後半の女性だったよ。あの時ばかりは、参ったな」
「どんな事件だったのですか?」
「ウン、その相談はありふれたもので、夫が浮気をしてこの頃、全く家に寄りつかない。外に女を囲っているらしくて、離婚することに決めました。夫とその女から慰謝料を取りたいが取れるだろうか、というものだったよ」
「解決方法は簡単なのじゃないですか?離婚を請求し、併せて慰謝料をすれば良いのではないですか、何に参ったのですか?」
「それだ、それ!」
持田さんの杯は進む。

「その孤塚さんという女性は、キツネの変身だったのかな、男好き、のする、という言葉があるだろう、あれだよ!妙に男心をそそるのだよ」
「へ~、それでどうなったのですか?」
「相談をホテルですることにしたのだよ」
「それって、まずいのじゃないですか?『女性の顧客と夜に会わなければならない時は、誰かと一緒に会いなさい。女性と二人で、会うことは極力避けなさい』とこの間、石部弁護士に教えられましたよ、夜、ホテルで会うなんて!」
「そうだ、それはその通りだ、これは理屈通りでは解決しないよ。石部君は理論派で『金吉』とアダナされるくらいだから、それでいいんだよ。何よりも、諸君は、先ず定石をマスターして後、自分流の応対術を磨くことだね」
「それで持田先生は、どうしたのですか?」
「或る日、相談の打ち合わせが済んだので、レストランで食事を終え、ホテルの上の階のバーに行ったさ」
「それで・・・」

「彼女がワシの太ももに手を置き、『先生、私を抱いて下さらない。このまま帰りたくないの・・・』とか何とか言いながら、じっと見つめるのさ」
「それで先生は、黙って彼女を帰してしまったのですか?」
「彼女は淋しかったのだろうね、それまで孤閨をまもっていたのだろうからね。ところで、君、バスショウアン、を知っているかね?」
「ハァ~・・・」

「僕、知っています。婆子焼庵でしょう。昔、在家の人は出家僧に布施をしたんですよね。お婆さんが若い坊さんのお世話をしたんですね。修行十分とみたお婆さんは、村の若い娘に嗾けます。あのお坊さんを誘惑しておいでって」
「そうだ、その通り」
「娘は、色気たっぷりに、お坊さんに抱きつきます。私を抱いて下さい」と。
「それで、坊さんはどうしたんだ?」
と興味津津の若手弁護士は、ベテランの持田さんに尋ねます。
すると他の若手弁護士が応じます。

「『枯木寒厳によって、三冬暖気なし』と言い放ち、若い娘を寄せ付けなかった、という話ですか、私は枯れ木だ、寒さが厳しき冬でも暖かくはないのだ、傍に寄るな、というところでしょうか、持田先生!」
「そうだろうな、そして、婆さんは坊さんを叩きだし、住んでいた庵を焼いてしまったという話だね。何故、婆さんは、若い坊さんを叩きだしてしまったのだろう?」
「李下に冠を正さず、君子危うきに近寄らず、ということでしょうか、坊さんたるもの、煩悩に煩わされないのでは、なかったですか?若い娘をはねつけてどこが悪いのですか?」
「坊さんもその出家僧も同じだね、君たちが私の立場だったらどうする?」
「僕は、抱かないな、だって女に後で居直られたら、困るもの・・・」
「俺は、割なき仲になったかも知れないな・・・」
「持田先生はどうされたのですか?」
「俺も、あの時は悩んだものだよ・・・フッフッフ・・・」

現代の弁護士ならずともサラリーマン諸氏が、魅力的な女性にこのように迫られたらどうするのでしょうか。
外交官や政治家がハニートラップにかかるのと同じではありませんか。
昔の人達は皆さん、強の者ですね。
持田弁護士は、十数年前他界しました。
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