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新米弁護士はつらいよ!

弁護士登録後間もないA弁護士は、おおせつかった訴状を起案し、おずおずと大先生に提出しました。
すると大先生、チラッと一瞥するや、
「A君、こんなものかい?」
と中身を詳しく読まずに、ポーンとA弁護士の前に放り出したものです。
A弁護士が、「コン畜生!」と思ったことは言うまでもありません。

そこで、A弁護士はどうしたか。
事務所を退めてしまったのか。
憤懣やる方ない新米弁護士は、学説・判例をも総ざらいし、訴状を書き直したのです。
そして、再び大先生に提出。
「オー、A君、結構よくできているよ。」
と、それっ切り、賞め言葉は勿論ありません。
誰かから誉めてもらいたい等という意識があるうちは弁護士ではありません。
自分の与えられた仕事をこなせるか否か、が一人前の弁護士になれるかどうかの分水嶺です。

B弁護士は、朝の9時半頃、大先生から言われました。
「B君、時間あるかい?10時から弁論期日があるんだけど、準備書面(民事事件において当事者が自己の主張を書いた書面のこと)を受け取ってくるだけだけど行って来てくれるかい?」
弁護士になったばかりの新人に、時間がないわけはない。

そこで、定められた時間に民事事件の法廷に行き、代理人の席に座ったのです。
相手方代理人弁護士は、険しい顔をしています。
裁判長がおもむろに、B弁護士に向かって口を開いた。
「被告代理人、本日は、釈明の準備書面(自分の主張を補充し、わかりやすく説明する書面のこと)を提出するという約束でしたが、書面を用意して来ましたか?」
いまさら、B弁護士、そんなことは聞いて来なかった、等と言い訳はできません。
「申し訳ありません」と詫びるしかありません。
「申し訳ない、だけじゃ済みませんよ。今回で、三回目ですよ。じゃ、もう一回だけ待ちますから、次回には必ず、提出して下さい」
と裁判長からお叱りを受け、相手方代理人弁護士からは、睨まれ、B弁護士は、悔しいやら恥ずかしいやら、脂汗、冷や汗三斗。

事務所に帰って、大先生に報告すると、
「ワルイ、ワルイ、B君、忘れとった、そうだったな。それでは、今日からこの事件を引き続き担当してくれ……」と言われました。
これで、B弁護士は、他人の言うことを鵜呑みしているととんでもない目に会う、恥をかき、失敗するのは自分以外の誰でもない、と独立自尊の精神が養われたものです。

「この事件はどうだい?」とC弁護士は、問われました。
そこで、C弁護士、答えたのです。
「勉強になります……」
すると、
「バカモノ!勉強になるとは何たる言い草か!」
怒鳴られて、キョトンとするC弁護士に、ボス弁は説明しました。
「いいか、事件をわれわれ弁護士に依頼して来る人達は、皆、自分の頼んだ弁護士が一番良い弁護士だと思っている。依頼者は、わざわざお金を払って、勉強させるために弁護士に頼んだのか。若い時でも経験を積んだ後でも、弁護士は、どんな事件でも勉強になる。そんなことは当たり前だ。それとこれとを混同するな」

C弁護士は、事件の見通しについて問いかけられたのを、自分が弁護士であることを忘れ、司法修習生(司法試験合格後の研修生のこと)気分丸出しで、答えたものだから、叱られる破目になったのです。

一人前の職業人になるには、どのような職業であれ、ある程度の年数と精進が必要です。
資格を取っただけでは、まだ一人前(?!)の弁護士ではありません。
昔は、弁護士登録するや、直ちに一人前の弁護士として扱われたのでしょうが、そうでない弁護士は、誰かに叱られ、怒られ、直ちに、「社会人としての」弁護士になったのです。

現在、若者を叱る人は少なくなりました。それだけに自覚・精進することが大事になった時代です。
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