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感情移入はもってのほか

今回は、弁護士の感情移入の話です。弁護士も人の子、仲良くなった人間を助けたくなるものです。
けれども、どんな仕事でもそうですが、仕事に私情を持ちこんだ場合は、大概上手くいかないものなのです。
ましてや法律を司る弁護士が私情に流されていては、うっかりすると刑事事件にまで発展することさえ起きうるのです。
しかし、現代にも大岡裁きはあるものです。依頼者はもちろん、時には相手側のことも考えて行動しなければなりません。

沖田雄三さんは他の十名ほどの人たちと会社を立ち上げました。
この時、その十名と約束を交わしました。それは、給料はそれほど高くは出来ないけれど、退職金は相場の十倍出すという契約です。
会社は木造二階建ての大きな家でした。
そこでコツコツと小さな会社を営んできたのです。
業績は大きなものではありませんでしたが、それなりに安定していました。ところが十年たった頃資金繰りが悪くなってきました。
この間、創立者だった沖田氏は病気で亡くなっており、現社長は息子の昭三が後を継いでいます。

沖田氏の遺族は、この際社屋も含めて、会社も売却したいというのです。そのために代理人として左右田左右吉弁護士に依頼しました。

一方、十人の社員たちも黙ってはいません。
労働組合を結成し、会社の継続、そして創立者だった先代社長の約束した退職金の十倍払いの条項の確認を求めて来たのです。
もし、会社が誰かに買われたら、その退職金十倍払いの約束はどこかに飛んで行ってしまうかも知れないのですから。
それで、左右田先生は組合の書記長と何度も交渉することになりました。なかなかの人柄で、左右田先生は彼と話をするのが楽しくなったほどです。
交渉もニ十回ぐらいになると、もう左右田先生はこの書記長が気に入り、友人のような間柄になっていました。
こうなると、もう正常な交渉は出来ませんね。
左右田先生はネゴシエーターとして失格です。
左右田先生は、残念ながら代理人を外されてしまいました。
依頼人から余りにも、相手側の言い分ばかりを聴いているから、という理由です。
相手の言い分を聴きとるのは良いのですが、依頼人と相手方を比べ、相手方の言い分に感情移入してしまうことは、禁物です。

今回は弁護士の失敗の事例です。交渉事は特定の人間と一対一で行われることも多々あります。
こんな時は、相手の話を聞いて、良い人だなと思ってもそこで留めておかなくてはなりません。
特定の人に感情移入、つまり惚れこんでしまい言い分をきいてしまうこと、は絶対にしてはいけないのです。
交渉時には対等の立場で臨まなければなりません。
しかし、感情移入してしまうと、そうはいかなくなります。やはり弁護士といえども人間なのですから、反対意見や要望を出しにくくなってしまいます。
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カテゴリ: 弁護士の交渉術

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