何も喋らずにいて下さって結構ですから、いくらお支払いをすれば良いでしょうか?」とこんな相談を持ちかけられた弁護士もいることでしょう。
司法改革という名の弁護士増加政策以降、弁護士の社会的役割も変って来ていると思わざるを得ません。
交渉に同席した弁護士から事情聴取、という新聞記事が載ったのは平成17年(日経新聞2月27日付)のことです。
その記事は、京都・南禅寺隣の庭園売買を目的とした1億円詐取事件において容疑者と被害者とが交渉した際に弁護士が同席し、その弁護士は詐欺事件に関与した可能性があり、任意で事情聴取を受けたというものです。
この記事からは、弁護士は「詐欺事件のような悪い事件を」起こすような交渉には同席しないものだ、また同席を求めた方は弁護士が同席する位だから悪いことをする筈がない、ということが読みとれます。
それが一般的な見方だったのでしょう。
「悪いことをしたと疑われた」人達を弁護するのが弁護士の主な仕事だったのですから、「どういう交渉が行われたのかという事実」を見極めるだけのための同席などしなかったのです。
しかし、世の中の人達の求める役割と、社会の変化と共に弁護士の職責も変化しなければならないのでしょう。
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