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親が子に教える「事業の極意」

問:私の友人も実家が中小企業で精密機械工業の業界ではそれと知られた会社らしいのです。
「兄弟3人いて姉・兄・妹の私ですが、後継ぎは私の夫になりそうです」がどうしたらすんなりと行くだろうか、と相談を受けましたが良い考えがあるのでしょうか?


答:これは難しい問題なのです。一代で大企業を育て上げた事業家の2代目は、よく「俺はオヤジから財産をもらい会社の株式をも相続したが、何も経営というものは、教えてもらっていなかった」といって嘆く人が多いのです。
これは、子供の方が経営という訓えを親から受けていなかったという嘆きです。
民法や相続税法の規定している、相続というものは、人がなくなった後に遺された財産的な価値のある資産が対象です。
遺った財産をどのように扱うか、が法律で規定されているだけですから、いくら相続税額の評価を引き下げるか、というのは本当の相続対策ではないのです。

問:そうなんですか?

答:それら遺産を巡る法律上の相続の規定を学んだだけでは、幸せな人生を送ることが出来ません。
親の遺した財産の取りあいを子供たちがしてしまうことがあるからです。
その争いで弁護士も税理士も司法書士も食べていける面もあるから、それも良いんですが、私はあまり薦めたくありません。
人間とは何か、という本質に迫った「事業承継の教科書」が欲しいですね。

問:エェッ!・・・?

答:子供が自分で、親の様に自由自在に、財産を取得したり、また使うことが出来ればそれに越したことはありません。
皆さんにそうして、自分の人生を満喫してもらいたいものです。

問:どうすれば良いのでしょうか?

答:まず他人に学ぶのですよ、親が子に何をどのように訓えているかをですね。
次に掲げるのは、剣術の腕は良いが、財産の扱い方に慣れていない息子に、剣の達人であるばかりではなく、人生の達人でもある父親が、金銭の扱い方を訓え諭す事例です。
小説上の人物ですが、バカにしちゃいけません。作者が造形した人物像を借りて、自分の意見を述べているのですから。

問:小説でも学べるのですか?

答:エンターティメントとして読むばかりが能じゃありませんね、楽しんで且つためになる小説もたまには良いのじゃないですか?
池波正太郎の剣客商売を取り上げます。秋山小兵衛と大治郎の親子が主人公です。

問:私も読んでいます。

答:辻売りの鰻屋の又六は、「剣術を習いたい」それも「10日間で強くなりたい」と秋山大治郎を訪ね、大枚5両を差し出して、剣術を教えてもらいたい、と懇願します。
大治郎は秋山小兵衛の息子で剣の腕は今や父より上かも知れません。
何故剣術に強くなりたかったのか?
又六は、腹違いの無頼漢(ごろつき)の兄に、いつも脅かされて、鰻屋の売上や鰻を根こそぎもって行かれていました。
我慢の限界、強くなるしかないと決意した弟は、剣術を習ってこの兄をやっつけようと一念発起したのです。

問:私も読みましたがどうなるのでしたか?

答:「どうしたものか、10日間で強くなりたいとは・・・そんなことは到底無理というものだよ・・・」と弱り果てた大治郎、剣術ばかりでなく、人事百般、人生の達人である父秋山小兵衛に相談し、考えを乞うたのです。

問:何か秘策を父から授かったのですか?

答:さ~、小兵衛が息子に訓えたのは剣術の秘策と言えるかどうかですが、大治郎は父に訓えられた通り、又六とともに道場において朝から晩迄寝食を共にして、父の教えどおりに指導しました。
その結果、又六はゴロツキの兄が弟から金品を巻き上げようとしてやって来た時には、「剣術の強い」男に変身しており、もはや脅かされて金品を取り上げられなくなっていました。
又六は入門した目的を達することが出来たのです。

問:この小説から、事業承継の何たるかを学べるのですか?

答:勿論、その極意をね。
中小企業のオーナー経営者ならば、子供が親の事業をすんなりと継いでくれたら、そして今以上に会社を隆盛にしてくれたら、と思わない親はいないでしょう。
親のつくった会社を継いだ子の二世社長、孫の三世社長が会社をつぶしてしまうこともあります。
それは親が望まないことであったかも知れませんがやむをえないことです。
親の後を継いだ子供、継がせた親とがその気持ちで一致したか、どうかでもありますよ。
相続するものは、財産ばかりではありません。

問:そうなんですか?

答:そうですよ、あなただって両親から美貌と明るい性格を受け継いでいるのではないですか、「事業承継」ですよ、それは!

問:そんな事業承継があるなんて、考えてもみなかったわ、事業承継や相続は財産ばかりをもらうものじゃないのですね、両親の良いところも悪いところもひっくるめて相続すると考えるのですね。

答:大治郎は、秋山小兵衛に問いかけます。
「ところで父上」
「なんじゃ?」
「あの又六から、五両の礼金をうけとるのは、いささか心苦しくおもいますが・・・」
と自分の金銭感覚のみで、にわかに弟子になった又六の5両の礼金が多すぎるのではないか、と父親に問いかける訳けです。
「ばかな」と小兵衛は舌打ちしつつも、又六にとっての金銭の持つ意味を大治郎に教える、つまり又六は五両を支払っても、強くなりたかったのであり、大治郎はその目的を達することに助力してやり、又六はその結果に、それ以上稼げることになったのだから、もらっておいても差し支えないということを教えたのです。

問:それがどうして事業承継なのか私にはよく分かりません。

答:あなただけでなく大治郎も、親の伝えたいことがわかったかどうか・・・体験を積み、時間が立たなければ分からないこともあるのです。

しかし、今、わかってもわからなくても親は子に「承継」しなければならないものがあります。
分からなければ分からなかったので良いので、その訓えを頭の片隅に入れておくだけでいいのです。
今、分からないものをダメなものだ、と一刀両断に切り捨てること、これが一番いけない。
成長しなくなる。経験を積めば分からなかったものが分かるようになります。
われわれは、そうやって生きて来たのです。日本人の最近の風潮は、良くも悪しくも理屈がまさって来たことです。

親は子に伝えたいことを伝え、子は親から学びたいことを学ぶ、その当時の政治、経済、社会的情勢でしか、事業経営も出来ませんが、ベストを尽くせば後日分かって来ますから、心配いりません。後は経験です、経験を積むと分かってくるものです。

親子は一体ですが、又別々の人間でもありますから、自分の考えた通りにはなりません。
しかし、「事業承継」をするのだという名目で、一生懸命、経営者は子に対し言葉を使いまたは使わずして訓え、事業をすれば良いのです。それを見ていた後継者は、何れ分かる時が来ます。一遍で分かるということはありません。

剣術でも事業でも毎日毎日が勝負の毎日であり、「生きた事業承継」とは相続財産の評価を考えることではありません。

問:私のお友達のことも相談に乗って頂けますか?

答:お安いご用です、何時でもどうぞ。
興味のある方は、池波正太郎著「悪い虫」(剣客商売第2巻所収・新潮文庫)をどうぞお読みください。
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