しかし、その試みは、上手く行かないでしょう。手続きを経なければ「指定暴力団」とはならないのですから。
さて、今後も指定暴力団が分裂する都度、手続きを経て暴力団に指定するのでしょうか?
これは、日本人の(意識してないでしょうが)智恵が山口組の分裂をまねいたものなのです。手続きを経ていようといまいと、暴力団は暴力団なのです。
何故なら、暴力団対策法という法律は、「指定暴力団」という暴力をもって生業とする人々を、日本人の嫌いな七面倒臭い手続きを経て、その枠内に閉じ込めて暴力団を根絶しようとするものだからです。
欧米のマフィアと日本のヤクザは「似て非なる団体」ですから、取り締まるについても日本人にあった法律が必要なのです。
一連の暴対法・暴排条例による取締は、警察のお偉方が、西洋流の手続き(=知識)を以て、日本人の暴力組織を根絶しようとしたもので、その役割を終わる時が来た兆候と目されるのが、今回の事件です。
手続きではなく、実体を重んずるのが日本人の法意識ですから、それに合わない法は長続きしないのです。
今回の事件で、日本人の「ヤクザ」が復活することになるのかも知れず、「溶け行く暴力団」ではなく「溶け行く暴対法」となるかも知れません。
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